Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
そこは一年のうちの最も日の短いという冬至前後になると、朝の九時頃に漸く夜が明けて、午後の三時半には既に日が暮れてしまった。あのボオドレエルの詩の中にあるような赤熱の色に燃えてしかも凍り果てるという太陽は、必ずしも北極の果を想像しないまでも、巴里の町を歩いていてよく見らるるものであった。枯々としたマロニエの並木の間に冬が来ても青々として枯れずにある草地の眺めばかりは特別な冬景色であったけれども、あの灰色に深い静寂なシャヴァンヌの『冬』の色調こそ彼地の自然には適わしいものであった。
――ことしは久しぶりで東京の郊外に冬籠りする。冬の日は光が屋内まで輝き満ちるようなことは過ぐる三年の間はなかったことだ。この季節に、底青く開けた空を望み得るということも、めずらしい。私の側へ来てささやいているのは確かに武蔵野の『冬』だ。
――『冬』は私に樫の樹を指して見せた。髪のように輝いたその葉の間には、歌わない小鳥が隠れて飛んでいて、言葉のない歌を告げ顔である……」
岸本は抑えに抑えている自分を慰めようとして紙のはじにこれを書きつけて見た。満天星も、梅も、躑躅も、椿も、樫も、彼の部屋の外の縁側から直庭先に見られるものだ。