Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
自分もこの前伺った二三日前から少し弱っていたので、昨日は父の御供をして病院から帰りかける途中で歩かれなくなってしまった、尤も無理に押して出掛けたことではあったが、半分夢中で谷中の家に帰り着くことが出来たと書いてよこした。こんな場合につけても叔父さんのことを思い出す、自分が我儘の言えるのは叔父さんと共にある時ばかりだと書いてよこした。自分の今の境遇も辛いと書いてよこした。そういえば今夜は七夕だ、去年の今頃はどんなに旅から帰る叔父さんを待受けたろう、いくら自分ばかり織女を気取ってもその頃の叔父さんは未だ牽牛では無かったなぞとも書いてよこした。すこし身体の具合が悪くなったからもう止める、これを受取ってくれる頃は、あるいは丁度去年あの漸くお目に掛って、うれしいとも悲しいとも名のつけようの無い心持を味っていた頃かも知れないと書いてよこした。
こういう節子の手紙は、折角離れていようと思う岸本の心を彼女の方へと巻き込まずには置かなかった。どうかすると、その手紙の中には、「織女を恐っている牽牛なんて有りませんね」などとした初心な調子で書いたところも有った。その節子の初心なところが彼女の若いことを証拠立てていて、反っていじらしく岸本の心に絡いついた。