Japanische Klassiker mit Furigana
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しんせい
新生
島崎 藤村
Lesen Sie 新生 (しんせい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.815 Zeichen · 663 Bildschirme
根岸の嫂はこんな言葉をも残して置いて行った。
こうした親類の女の客があった後では、岸本は節子と顔を見合せることを余計に苦しく思った。それは唯の男と女とが見合せる顔では無くて、叔父と姪との見合せる顔であった。岸本は節子の顔にあらわれる暗い影をありありと読むことが出来た。その暗い影は、「貴様は実に怪しからん男だ」という兄の義雄の怒った声を心の底の方で聞くにも勝って、もっともっと強い力で岸本の心に迫った。快活な姉の輝子とも違い、平素から節子は口数も少い方の娘であるが、その節子の黙し勝ちに憂い沈んだ様子は彼女の無言の恐怖と悲哀とを、どうかすると彼女の叔父に対する強い憎みをさえ語った。
「叔父さん、私はどうして下さいます――」
この声を岸本は姪の顔にあらわれる暗い影から読んだ。彼は何よりも先ず節子の鞭を受けた。一番多く彼女の苦んでいる様子から責められた。
急に二人の子供の喧嘩する声を聞きつけた時は、岸本は二階の方の自分の部屋にいた。彼は急いで楼梯を馳け降りた。
見ると二人の子供は、引留めようとする節子の言うことも聞入れないで争っていた。兄は弟を打った。弟も兄を打った。