Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

Lesen Sie 柳生月影抄 名作短編集(二) (やぎゅうつきかげしょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 173.309 Zeichen · 352 Bildschirme

Aozora Bunko

いいふくめて、すぐ、

「戸外を見張っておれ」

「は、はい」

おかやが起って行くと、粂之介は、奥の八畳に入って行った。

神官の家には何処にもある「神座」といって、平常も人を入れない一室だった。

磋磯之介はもう二タ月も前から、そこに匿われていた。

「――逃げろ、足がついた」

と唐突な兄の言葉に、彼は、はっとしたが、平常から覚悟していたことだったので、

「いや、分ったら、自首して出ます」

といった。

「ばかをいえ。おまえは、国士をもって任じている人間じゃないか。まだ、お国のためにすることはたくさんある。生きるだけ生きて、尽せるだけお国のために尽して死ね」

「――でも、他の同志は皆、自刃したり自首したようです。拙者一人が、生き伸びているのも心苦しく思われてなりません」

「そんなことはない。あの人達を、裏切って生きているならべつなこと、おまえもともに、なすことをなし、もう盟約は終ったのだ。これからは、おまえ個人が、生きがいのある道を見出し、なお、国事のためにすこしでも多く尽して行けば、立派に士道は立つというものだ。……今、親切に教えてくれた者があって、すぐにも、捕手が来るかも知れぬのだ。