Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
夕刻に目的地に達すれば、これすなわち僕が成功したのである。自分の心に期しただけの事を遂げたのである。
しかるに世間はこれを見て成功と言うか言わぬか。世間ではこれをもって失敗と笑う人もある、また成功と褒むる人もある。しかして褒める人のうちにもこれを僕と同じような考えをもって、まあまあ思っただけのことをやったと、平易にいわばあたり前に考える人は少なかろう。如何となれば僕のその日の心持ちを知らんから、その日ことさら気分がよかった、天気が清朗であったなどということは考えの内に入れてくれぬから、同じく成功とみなしても、僕が思う程度に成功と思ってくれる人ははなはだ少ない。
しかるに時には十里歩いたことをもって、非常なる成功と思って、僕は何か世に偉い奴であったごとくに賞賛する人もあろう。かくのごとき人は日ごろ僕が歩き不精であるから、一里行くのも珍らしいのに十里歩いたのはエライとほめる。しからざれば自分らが足が弱くてなかなか十里の道を遠しとしている連中ならば、これまたわが輩を誉めるであろう。そうでなければ、わが輩が歩いた道のことを詳しく知らぬ人が、よその人から聞いて、この道は非常に悪路である、嶮岨だとか、危険の多い道だとか信じている人は、わずか十里ながらもえらいところを行ったと思って、わが輩は非常なる成功をしたごとく思う