Japanische Klassiker mit Furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lesen Sie 自警録 (じけいろく) von 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 168.224 Zeichen · 328 Bildschirme
一人前に対してかくのごとき標準を設けたのは何より起こったのであるか。
四尺に足らぬ小男にも、六尺ちかい大兵にも、一反の反物をもって不足もしなければあまりもせぬ。もっとも仕立の方法によりてはいかようにもなし得られる。特別の理由あるにあらざれば、丈の長短を斟酌せず一人前は一反と定めてある。
また小食の人も健啖家も、肉を注文すれば同じ分量を授けられる。ほとんど個性を無視して男一匹の食物は何合、衣類は何尺と、一人前なる分量が定まっている。して、この分量は数学的に割り出したのではない。
日本には何尺の反物が出来る。これを人口に割り当てて一人前は何尺としたのでなく、また消費の額を精算して、日本人は春夏秋冬を通じて衣服は何枚要るかから割り出したものでもない。
それと同じく人の容貌を評するにも、よく十人並という言葉を使う。これはすなわち美醜の一人前という意味であるが、美醜の割り出しなどは、眼鼻や顔形の寸法を計って出来得るものでない。まして芸などについては算盤にかけることは絶対的に不可能のことである。
これによりてこれを見れば一人前あるいは一人分と称するは、統計学者が平均人と称するものとはだいぶ趣を異にしているように思う。