Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「何とでも、存分に吐ざいておれ。――今にみよ」

「駄目さ。――もうよせ武蔵、疲れるだけじゃぞ。――いくらもがいたところで、天地はおろか、この喬木の枝一つ裂くことはなるまい」

「うーむ……残念だ」

「それだけの力を、国家のためとまではいわん、せめて、他人のためにそそいでみい、天地はおろか、神もうごく。――いわんや人をや」

沢庵はこの辺から、やや説教口調になって、

「惜しむべし、惜しむべし。おぬし、折角人と生れながら、猪、狼にひとしい野性のまま、一歩も、人間らしゅう至らぬ間に、紅顔、可惜ここに終ろうとする」

「やかましいッ」

唾を吐いたが、唾は、高い梢から地上へ来るまでの途中で霧になってしまう。

「聞けよ! 武蔵。――おぬしは、自分の腕力に思い上がっていたろうが。世の中に、俺ほど強い人間はないと慢じていたろうが。……それがどうじゃ、その態は」

「おれは恥じない。腕で貴さまに負けたのではない」

「策で負けようが、口先で負けようが、要するに、負けは負けだ。その証拠には、いかに口惜しがっても、わしは勝者となって石の床几に腰かけ、おぬしは敗者のみじめな姿を、樹の上に曝されているではないか。