Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans
六
六
常ならば、笛など聞かしてあげようといえば、吹かない先から、茶化すに極まっている沢庵が、聴き耳澄まして、じっと眼をつむっているのでお通は、却って、羞恥んでしまって――
「沢庵さんは、笛がお上手なんでしょう」
「下手でもないそうだね」
「じゃあ、あなたから先に吹いてみせて下さい」
「そう、謙遜するほどではないよ。お通さんだって、相当に習ったという話ではないか」
「え。清原流の先生が、お寺に四年も懸人になっていたことがありましたから」
「では大したものだ、獅々とか、吉簡とかいう秘曲もふけるのじゃろ」
「とんでもない――」
「まあ、何でも好きなもの……いや自分の胸に鬱しているものを、その七つの孔から、吹き散じてしまうつもりで吹いてごらん」
「ええ。私もそんな気がするんです、胸のうちの悲しみや恨みやため息や、そんなもの思うさま吹き散らしてしもうたら、さぞ爽々するでしょうと思って」
「それよ、気を散じるということは大切だ。笛の一尺四寸は、そのままが一個の人間であり、宇宙の万象だという。……干、五、上、ク、六、下、口の七ツの孔は、人間の五情の言葉と両性の呼吸ともいえよう。懐竹抄を読んだことがあるだろう」