Classiques japonais avec furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans
九
九
お通にとっては意外であったが、沢庵にしてみれば、彼女をここで発見したのは、自分の予測があたったに過ぎないことだし、それから城太郎も加えた三人づれで、柳生谷の石舟斎のところへ戻ることになったのも、べつだん何の偶然でも奇蹟でもなかったのである。
そもそも。
宗彭沢庵と柳生家との関係は、今に始まった間がらではなく、その機縁は遠い前からのことであって、この和尚がまだ大徳寺の三玄院で、味噌を摺ったり大台所を雑巾を持って這い廻っていた頃からの知りあいだった。
その頃、大徳寺の北派といわれる三玄院には、常に生死の問題を解決しようとする侍とか、武術の研究には同時に精神の究明が必要であると悟った武道家とか、異った人物の出入りが多くて、
(三玄院には謀叛の霧が立っている)
と噂されたほど、そこの禅の床は、僧よりも侍に占められていたものだった。
――そこへよく来ていた人物の中に上泉伊勢守の老弟鈴木意伯があり、柳生家の息子という柳生五郎左衛門があり、その弟の宗矩などがあった。
まだ但馬守とならない青年宗矩と沢庵とは、忽ち、親しくなって、以来、二人の交友は浅からぬものがあって、小柳生城へも幾度も訪れるうちに、宗矩の父の石舟斎とは息子以上に、