Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans
三
そこから十二、三町はある、新免家は河向うだった。その河を挟んで本位田家も古い郷士だし、新免家も赤松の血統だし、こういうことのない前から、暗黙のうちに、対峙している間がらであった。
門は閉まっていた、灯りもみえないほど樹立ちがふかい。お通が裏口へまわろうというと、お杉は、
「本位田の老母が、新免を訪ねるのに、裏口から入るような弱味は持たぬ」
と、動かないのである。
やむなく、お通だけ裏へ廻って行った。しばらく経つと、門のうちに灯りがさした。お吟も出て来て迎え入れる。野良で畑を耕しているお杉とは打って変って、
「夜中じゃが、捨ておかれぬことゆえに、出向いて来ましたぞよ。お迎え、ご大儀じゃ」
と、高い気位と言葉にも権式を取って、ずっと、新免家の一間へ上がった。
三
荒神様のお使いのように、お杉はだまって上座へ坐った。お吟のあいさつを鷹揚にうけて、すぐ、
「おまえの家の、悪蔵がもどって来たそうじゃが、ここへ、呼んでおくりゃれ」
と、いった。
藪から棒だ、お吟は、
「悪蔵とは、誰のことでございまするか」
と、訊きかえした。
「ホ、ホ、ホ。これは口が辷った。村の衆がそういうので、婆もつい染まったとみゆる。