Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans
四
法師は、不動の姿勢で突っ立っていたが、次に出て来た相手が、壁から選み把った薙刀を持って、自分の方へ向って、挨拶をしかけると真っ直に立てていた槍を、
「うわッ!」
いきなり山犬でも吠えたような声を出して、相手の頭へ撲り落して行った。
「――次っ」
すぐまた、平然と大槍を立てて元の姿勢に返っているのである。撲られた男は、それきりだった。死んだ容子はないが、自分の力で顔を上げることも出来ないのだ。それを二、三人の法師弟子が出て来て、袴腰をつかんでずるずると席のほうへ引っ張り込む、その後に血の交じった涎が糸をひいて床を濡らしている。
「次は?」
突っ立っている法師はあくまで傲岸だ。武蔵は初め、その法師が宝蔵院二代目の胤舜かと思って見ていたが、側の者に訊いてみると、彼は阿巌という高弟の一人であって胤舜ではない、たいがいな試合でも、宝蔵院七足といわれる七人の弟子で間に合っているので、胤舜が自身で立合うなどという例はまずないというのである。
「もうないのか」
法師は、槍を横にした。授業者の名簿をもって、先刻、取次にあらわれた坊主が、帳面とそこらの顔を照らし合せ、
「其許は」