Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みやもとむさし
宮本武蔵(一)
吉川 英治
Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans
「だめですよ、この娘は、お酒ならいくら飲ませたって酔わないんですから。三味線を持たせておくに限るんです」
お甲がいうと、
「おもしろい」
清十郎は、躍起に酌ぐ。
すこし雲ゆきがおかしいぞと懸念して、藤次が、
「どうなすったので。――若先生今夜は、ちと飲け過ぎまする」
「かまわぬ」
凡ではない、案のじょう、
「藤次、わしは今夜は、帰れぬかも知れぬぞ」
と、断って飲みつづける。
「ええ、お泊りなさいませ幾日でも。――ネ、朱実」
と、お甲は、調子づける。
藤次は眼くばせをして、お甲をそっと他の部屋へ拉して行った。――困ったことになったぞと密め声で囁くのである。あの執心ぶりでは是が非でも、朱実になんとか得心させなければ納まるまいが、本人よりは母親であるおまえの考えのほうが肝腎、金のところはどのくらいだと、真面目になってかけ合うのだった。
「さ? ……」
と、お甲は暗い中で、厚化粧の頬へ、指をついて考え込む。
「何とかせい」
藤次は、膝をつめ寄せ、
「わるくない話じゃないか、兵法家だが、今の吉岡家には、金はうんとある。先代の拳法先生が、何といっても、永年、室町将軍の御師範だった関係で、弟子の数も、まず天下第一だろう。