Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

お慈悲だと思え」

「誰が、ばかばかしい」

「ここへ来て、酌でもしねえか、お甲」

「…………」

「物好きな女だ、俺の世話になれば、こんな生活はしねえでもすむものを。どうだ、考え直してみちゃあ」

「ご親切すぎて、恐ろしさが、身に沁みるとさ」

「嫌か」

「私の亭主は、誰に殺されたか、ご存知ですか」

「だから、仕返ししてえなら、及ばずながら、おれも片腕を貸してやろうじゃないか」

「しらをお切りでないよ」

「なんだと」

「下手人は辻風典馬だと、世間であんなにいっているのが、おまえの耳には聞えないのか。いくら野武士の後家でも、亭主のかたきの世話になるほど、心まで落魄れてはいない」

「いったな、お甲」

にが笑いを注ぎこんで、典馬は、茶碗の酒を仰飲った。

「――そのことは、口に出さない方が、てめえたち母娘の身のためだと、俺は思うが」

「朱実を一人前に育てたら、きっと仕返しをしてやるから、忘れずにいたがよい」

「ふ、ふ」

肩で笑っているのである。典馬は、あるたけの酒を呑みほすと、肩へ槍を立てかけて、土間の隅に立っている乾児の一人に、

「やい、槍の尻で、この上の天井板を五、六枚つッ刎ねてみろ」

と命じた。