Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

五

――したがあの男、おそろしく強い、数日来、追い歩いて、疲れるのを待っているが、容易には捕まらん」

「ア……それで」

お杉は、うなずいた。武蔵が、七宝寺へも、姉の側へも立ち寄らない理が解けた。同時に、息子の又八は帰らずに、彼のみ生きて帰ったことが、憤ろしかった。

「旦那様……なんぼ、武蔵が強うても、捕まえるのは、易いことでございませぬか」

「何せい人数が少ないのだ。今も今とて、彼奴のために、一人、打ち殺されたし……」

「婆に、よい智慧がありますのじゃ、そっと、耳をお貸しなされ……」

五

どんな策を、囁いたのであろうか。

「む! なるほどな」

姫路城から国境の目付に来ているその武士は大きくうなずいた。

「首尾ようおやりなされよ」

お杉婆は、煽動するようにいって、立ち去った。

――間もなく。その武士は、新免家の裏手に、十四、五名の人数をまとめていた。何か、密かにいい渡して、やがて塀をこえて邸のうちへなだれこんだ。

若い女同士の――お通とお吟とが――お互いの薄命でも語らい合っていたのか、更けた灯りの下に涙をぬぐい合っている所へであった。人数は土足のまま、両方の襖から入り込んで来て、部屋へいっぱい立ち塞がった。