Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

「ははは、おまえがいわれておるのではないからよかろう」

「でも。――後生だからさ、おじさん。あそこの塗師屋の裏で、紙漉きだの桶屋の若い衆たちが集まって、剣術をやっているから、そこへ試合に行って、一度、勝っておくれよ」

「よしよし」

武蔵は、城太郎のいうことには、何でも頷く、彼は少年が好きなのだ。いや自分がまだ多分に少年であるゆえに、すぐ同化することができるのだった。また、男の兄弟がなかったせいもあろうし、家庭のあたたかさを殆ど知らなかったことなども、その一因といってよい。常に何かでそれに似た愛情のやり場を求めて、孤独を慰めようとする気持が無意識にひそんでいた。

「その話、もうよそう、――ところでこんどはおまえに訊くが、おまえ、故郷はどこだ」

「姫路」

「なに、播州」

「おじさんは作州だね、言葉が」

「そうだ、近いな。――して姫路では何屋をしていたのか、お父さんは」

「侍だよ、侍!」

「ほ……」

そうだろう! 意外な顔はしたが、武蔵は、果たして――というように頷いてもいた。それから父なる人の名を糺すと、

「お父っさんは、青木丹左衛門といって、五百石も取ってたんだぜ。けれど、おらが六ツの時に、牢人しちゃって、それから京都へ来てだんだん貧乏しちまったもんだから、おらを、居酒屋へあずけて、自分は、虚無僧寺へ入ッちまったんだよ」