Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵(一)

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵(一) (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 231 525 caractères · 463 écrans

Aozora Bunko

今まで出会ったどんな敵よりも怖かった。関ヶ原で顔の上を翔けて行った無数の軍馬の下に仰向いて寝ていた時でも、こんな大きな動悸は覚えなかった。

壁の隅へ、小さくなって、

「おばさん、あっちへ行ってくれ、自分の部屋へ。――行かないと、又八を呼ぶぜ」

お甲は、うごかなかった、いらいらとこじれた眼が、睨みつけているらしく、闇のうちで呼吸をしていた。

「武蔵さん、おまえだって、まさか、私の気持が、分らないはずはないだろう」

「…………」

「よくも恥をかかしたね」

「……恥を」

「そうさ!」

二人とも、血がのぼっていたのである。で、気のつかない様子であったが、さっきから、表の戸をたたいている者があって、ようやく、それが大声に変って来た。

「やいっ、開けねえかっ」

襖の隙に、蝋燭の光がうごいた。朱実が眼をさましたのであろう、又八の声もしていた。

「なんだろう?」

と、その又八の跫音につづいて、

「おっ母さん――」

朱実が、廊下のほうで呼ぶ。

何かは知らず、お甲もあわてて、自分の部屋から返辞をした。外の者は戸をこじあけて、自分勝手に入り込んで来たものとみえ、土間の方を透かしてみると、大きな肩幅を重ね合って、六、七名の人影がそこに立ち、