Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans

Aozora Bunko

それから大通りをしばらく行って、路地を二つ三つ曲ると、とある路地の中へ。

「どっこい、今度は逃さねえぞ」

浪人者の踵を踏むように続いて入ろうとすると、今度もまた見付かってしまいました。

「これこれ町人」

「ヘエ、ヘエ」

「先ほどから拙者の後を跟けているようだが、何か用事でもあるのかな」

「とんでもない」

「剽盗泥棒ならあきらめて帰るがよかろう。この通り無禄の浪人者だ、一文も持合せがない、その上年こそ取っているが、拙者は腕が出来ているぜ、ハッハッハッハッ」

カンラカラカラと笑い飛ばすと、刻みの深い物凄い顔の紐が緩んで、群青で描いたような青髯の跡までが愛嬌になります。

「ヘエ、あっしは悪い人間じゃございません」

「そうだろう。その方の人相は、どう買い被っても悪人という相じゃない。鼻が反っくり返って、眼尻が下がって、歯が少し乱杭だな、そんな刻みの深い顔は、すべて善人か愚人にあるものじゃ」

「ヘエ――」

「悪人はもう少しノッペリして凄味があるな」

ガラッ八もうすっかり面喰らってしまいました。

「親分もそんな事を申しましたよ、あの御武家は、ちょっと凄い顔をしているが、きっと仏様のような方に相違ないって――」