Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 455 caractères · 290 écrans
「銭形の、――もう吉五郎が帰って来る時刻だぜ」
金太はその前にやる事があった、といった顔です。
「何の役にも立たないだろうが、二人手わけをして、家中を捜してくれ、血の付いたものでもありゃ占めたものだ、俺はちょっと外に行って来る」
平次は言い捨てて、プイと外に出ました。その後で、金太と八五郎が、お留の憤々たる忿怒の前に、どんなに深刻な家捜しをしたことか。
やや四半刻(三十分)ばかり、四方が雀色になった頃に、平次は勝ち誇った様子で帰って来ました。
「何にもないぞ、銭形の」
それを極り悪く迎える金太。
「もういい、それでたくさんさ、証拠は揃ったよ」
平次は日頃にない有頂天です。
「何が揃ったんで、親分」
ガラッ八は行灯を点けて来ました。
「お留、白状してしまえ、お慈悲を願ってやるぞ」
平次はズイと寄ると、娘の肩を押えました。
「あれッ、何をするのさ、白状することなんかありゃしない」
お留は気象者らしく反抗を続けながらも、ヘタヘタと敷居際に崩折れます。
「お柳の殺された時、側に居たのはお前だ――又六が見たから間違いはない」
「でも」
「格子から縁結びを二つ引き千切って、うっかり捨てるのを忘れて持って来たはずだ。