Classici giapponesi con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Leggi チベット旅行記 (チベットりょこうき) di 河口 慧海 (かわぐちえかい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 531.520 caratteri · 1042 schermate
極楽世界の百味の飲食
とにかく身体が非常に疲れて居るからまずその辺で一休みとこう思うたけれども雪ばかりでどうもよい所がない。……そこでまあ袋の中から麦焦しの粉を出して椀の中に取り入れそれに雪と幾分かのバタを加えてうまい具合に捏ねるです。それからまた一方の椀には唐辛子と塩とを入れて置きまして、そうして一方の麦焦しを雪とバタとでよく捏ねてその唐辛子の粉と塩とを付けて喰うのです。そのうまさ加減というものは実にどうも
極楽世界の百味の飲食 もこれに及ぶまいかと思うほど旨かったです。でまあ椀に二杯位喰いますとそれでその日の食事はすむのです。もちろんこれまでとてもいつも一食しかやりません。朝はちょっと樹の実の乾したものすなわち乾桃とかあるいは乾葡萄とかいう物を喰って居ったです。で昼だけ麦焦粉のねったものを椀に二杯ずつ喰べる切り。その椀も随分大きな椀ですからなかなか腹が太くなるのです。ちょっと注意までに申して置きますがその麦焦粉もかの地のはなかなか力が強い。どうも寒国に出来た麦は余程成分に富んで居ると思われるです。でまあそれをゆっくりと喰いまして四面皆雪という雪中に坐り込んで四方を眺めて居ると何となく愉快というだけで、誰もが居らずただジーッと独りで考え込んで居るだけでこれからどちらへ出掛けたらよいのかさっぱり見当が付かない。