Classici giapponesi con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Leggi チベット旅行記 (チベットりょこうき) di 河口 慧海 (かわぐちえかい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 531.520 caratteri · 1042 schermate
極楽世界の甘露
たがじきに案が浮びました。かねて釈迦牟尼如来が戒法をお立ちになった中にもし水の中に虫が居たならばその虫を切布で漉して飲めというお教えのあった事を思い出して、こりゃいい事を思い出したというので早速切布とチベット鍋を出してその水を切布で漉したです。そう致しますと外側に虫が残って水が下へ落ちた。それが清水かと思うとやっぱり赤い。けれども虫のウジウジして居るのが眼に掛からんからそれを椀に盛って一盃飲んだ時のその味は
極楽世界の甘露 も及ばなかったです。一盃は快く飲みましたが二盃は飲めない。これをどうか湯に沸かして茶を拵えて飲んだらよかろうというので、その辺を駈け廻って野馬の糞を集めて来て沸かして居ると十二時間近になって来た。十二時過ぎると飯が喰えないことになるからまだ湯は沸かないがその微温な水で麦焦しを捏ねて充分麦の粉だけ喰ったです、例の唐辛子と塩を付けて……。実にうまかったです。それから一里ばかり砂の中を行くと午後三時頃から非常に風が吹き出した。どうもその砂が波を揚げて来るので荷物は砂に押っ被ぶされてしまうし、バアーッと眼の中へ吹き込むから眼を開いて歩くことが出来ない。