Classici giapponesi con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Leggi チベット旅行記 (チベットりょこうき) di 河口 慧海 (かわぐちえかい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 531.520 caratteri · 1042 schermate
パーリー城を去る
四辺の雪山は新たに降った霰のために新衣を着けて居る。その寒さはまた格別で、殊に日光の反射が酷いものですから痛く眼を打ちます。水の流れて居る辺には幾分の短な草などが生えて居るばかりで、別段樹のようなものはない。ごく淋しい景色です。
水はこの平原の頂上を境として、一方はチベット曠原に落ち一方はインドの方へ落ちます。その坂を踰え雪山の少し降り形になって居る所を通って行きますと大分に太い溪流がありまして、その水の美しい事といったら透き通って水底に在る白い石と黒い石が玉のごとくに見えて居ります。喉が乾いて居りますから一掬い飲んで見ると手は縮み上がる程冷たいので、二度と掬って飲む勇気がなかった。馬は既にパーリー城で還してしまったものですから、馬に乗ってその水の中を渡るという訳にはいかない。
履を脱いでこの冷たい川を渡るのは難儀だなあと考えて居りますと、下僕はまず荷物を先に渡しまたこちらに後戻りをして私を渡してくれましたので、その冷たい水へ入らずに済みました。その水は私が西北原において首っきり入って渡った水の冷たさと別段変って居らぬのですけれども、もうチベットのラサ府で大分に安楽な活計に慣れて来たものですから非常に冷たく感じましたので、困難に堪えて居る時分には非常な困難でも随分辛抱し易いが、安楽に慣れて居ると少しの辛抱