Classici giapponesi con furigana
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チベットりょこうき
チベット旅行記
河口 慧海
Leggi チベット旅行記 (チベットりょこうき) di 河口 慧海 (かわぐちえかい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 531.520 caratteri · 1042 schermate
あの人は余り他の遊牧民のごとくに諸所方々に行かない。僅かにあの辺で位置を変じて居るだけだということを聞いたから大方あの辺に居るかも知れない。そうするとまずあの方向に進んで行くのが今の急務であろうと思いましてキャンチュを向うへ渡りました。渡った所は前に渡った所よりも三里半ばかり川上です。しかしその時分は水が非常に減ってほとんど五分の一しかないのでそろそろ氷に変じ掛けて居りましたし、昼頃の事でございましたから氷の間をうまく杖で叩き付けたり割ったりして渡ってしまったんです。氷が厚く張って居れば大変都合がよいが薄いから融けて居るという有様で渡るのが非常に危険です。氷の切端で足を切ったり何かするものですから実に危険です。
辛うじて其川を渡ってだんだん南へ南へと進んで行ったです。すると私が引っ張って居る山羊、その山羊の上に載せてあった僅かの荷物――羊の皮の敷物、履、薬のような物、それがどこへか落ちてしまったです。その辺を余程捜して見ましたけれども何分雪の中の道のない所で落したものですからどこへ捜しに行って見ようもない。やはり海の中で物を失ったと一つ事であるから已むなくそのままにしてだんだん進んで、どうか今夜はテントのある辺まで着きたいもんだ、毎晩毎晩雪の中ばかりに寝て居るともはや死ぬより外に道がないから、遅くなって