Classici giapponesi con furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Leggi 三国志(七) (さんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 371.916 caratteri · 744 schermate
その鱸ならば、料理番でも釣っておる」
「嘘をおいいなさい。松江の鱸は、かならず腮が四つあります。そのほかの鱸は二つしかありません。見てごらんなさい」
試みに、客が、鱸の腮を調べてみると、どれもこれも、まさしくエラが四枚あった。
曹操も、客も、愕然たらざるはなかったが、なお何かで困らせてくれんものと、
「いにしえから、松江の鱸を鱠にして賞味するときには、かならず紫芽の薑をツマに添えるという。薑はあるか」
「おやすいこと」
左慈は、左の袂へ手を入れた。そして幾つかみもの薑を黄金の盆へ盛ってみせた。
「怪しげな?」と呟きながら、曹操は、近侍の者に、盆をこれへと命じた。近侍が、盆を捧げた。しかるに、いつのまにか、薑は一巻の書物に変っていた。
見ると「孟徳新書」という題簽がついている。曹操は、皮肉を感じて、むッとしたが、いずれは、打ち殺さんという肚があるので、さりげなく、
「左慈。これは誰の書いた書物か」と、空とぼけて訊いてみた。
「は、は、は、は。さて誰の著書でしょうな、どうせ大したものじゃありますまい」
試みに、曹操は手に取ってひらいてみると、自分の書いたものと一字一句も違わないので、いよいよ心中に、この怪士、生かしおくべからずと誓った。