후리가나로 읽는 일본 고전
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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 名曲決定盤(めいきょくけっていばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 344,837자 · 680화면
ケンプの良さは、この無器用さと詩人的情熱ではなかったであろうか。かつてのケンプのレコードに、理知的な冷たさが少しも見られず、その解釈、表現が、甚だしく内攻的主観的で、そして主情的であったのは、ケンプの性格なり演奏態度なりが、全部そのレコードに反映するためであったであろう。
冷たく小賢しき現代リアリストたちのなかに、ケンプのような演奏家を見出したのは、なんとしても興味の深いことであるが、それが、全ドイツの信望を集め、国民的音楽家として、盟邦日本に送られるに至っては、ますます興味津々たるものを覚えずにはおられない。あのような主情的な、ロマンティックな演奏が、決して旧い見捨てられた型ではなく、少くとも本場のドイツにおいて、将来に大きな発展性を約束されているらしいことは、ますます以て興味満点的である。
ケンプの良さ――その古臭い主情主義的な演奏が、思いのほか近代人の好みにマッチする重要な点は、技巧を弄ぶ気の毛頭ないことではあるまいか。ピアノを極度に巧みに駆使することは、ケンプのあえてよくするところではない。ケンプの演奏態度は、ピアノの胸を叩いて、ベートーヴェンと語っているようでもあり、ピアノの中から新しいベートーヴェンを掘り出そうとしているようでもあったのである。