후리가나로 읽는 일본 고전
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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
野村 あらえびす의 名曲決定盤(めいきょくけっていばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 344,837자 · 680화면
クライスラーの大曲――三つの協奏曲の思い出
私は乏しい財嚢を傾け尽して、当時ビクターのカタログに六、七十枚あったクライスラーのレコードを、全部かき集めようとしたのになんの不思議があろう。クライスラー演奏会皆勤のお蔭で、病床に倒れてしまった私は、当時まだ小学校にいた伜と、高工の生徒だった甥を使に出して、銀座のレコード屋から専らクライスラーを集めさした。『タイスの瞑想曲』『インドの悲歌』『ユモレスク』『ルイ十三世の歌とパヴァーヌ』はその頃の私の病床をどれだけ慰めてくれたか判らない。
四カ月の後、病床から起き上ると、あの関東の大震災だ。私の家は幸い災厄を免れたが、東京のレコード屋は、新宿の出羽屋と神楽坂のみどり屋を残して、洋楽物を扱うほどの店はほとんど全部焼けた。私のクライスラー・コレクションはそのために中絶して、焼け跡にコークスのように焼け爛れたまま積まれたレコードの山を、私は涙ぐましい心持で見て歩いた。
話は甚だしく余談にわたるが、クライスラーの良さを語るためには、ここまで恥を打ちあけなければなるまいと思う。
クライスラーの大曲――三つの協奏曲の思い出
クライスラーの小曲が楽しくも嬉しいと言っても、レコード片面のアンコール向きの小曲を以て大クライスラーを論ずるのは、あたかも、髯を撫して竜を論ずるごときものである。