후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
お館へとは限らない、たとえどこへ出るにしても、お杉隠居のゆるしを得なければ出ることはできない。
今日のような留守をよい機に出かけてしまえばよいじゃないか。――こう事情を知らない者は思うかも知れないが、そこにぬかりのあるあの婆ではない。入口の旅籠の者に頼みこんであるから、お通の身には絶えず誰かの眼が光っている。ちょっと往来をのぞきに出ても、
(お通さんどこへ?)
と、旅籠の母屋からすぐ、さり気ない声がかかるのである。
なにしろまた、お杉婆さんといえば、この三年坂から清水の界隈でも、長い馴染だし、顔も通っているらしいのだ。去年、清水の辺で、武蔵をつかまえ、年よりの身で悲壮な真剣勝負を挑んでからのことである。当時、その実情を目撃していたこの土地の籠かきだの荷持だのの口からそれが評判になって、
(あの婆は気丈だ)
(えらい気丈者よ)
(敵討に出ているのだとよ)
そんな沙汰からいつとなく、婆の人気はひろまって、一種の尊敬にさえなっている。――だから旅籠の者などなおさらのこと、お杉の口から一言、
(ちと仔細ある女子ゆえ、留守のまに逃げぬよう看ていてくだされ)
とでも吹き込まれれば、それを守るに忠実なのは当然であった。