후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
ない奇蹟のようにしか思われなかった。
「…………」
「…………」
それきり、ふたすじの刀は、さっきから切っ先と切っ先との間に約九尺ほどな距離をおいたまま、空間に固着しているのである。
伝七郎の眉毛に雪がたかっていた。その雪が解けると、露になって、眉毛からまつ毛の中へながれ込むらしいのである。ために時々、顔を顰めると、その顔筋肉が無数の瘤みたいに動き、そしては、くわっと大きな眼をひらき直していた。そこから飛び出しそうな眼孔は、まるで鉄を熔かしている炉の窓のようであり、それとともに唇は、下腹からしている呼吸を、極めて平調に通わせているかのように見せていても、実はのような熱臭い火ッ気をもっていた。
(――過った!)
伝七郎は、敵とこういう対峙になるとすぐ、胸のなかでそう悔いていた。
(なぜ、きょうに限って、青眼につけてしまったか。いつものように頭高に振りかぶってしまわなかったか)
頻りと、その後悔が頭のなかを往来する。といっても人間のふだんにする思考のように脳だけで物事をのん気に判断していられる状態ではない。体じゅうの血管のうちを、どっどっと、音をたてて駈けている血がみな思考力を持ってそう感ずるのだった。