후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
堂の裏手にひきすえられて、先刻から又八に、責め苛まれていた彼女だった。
縛められている両手がきくものならば、及ばぬまでも、突きとばしてやりたいと思うがそれも出来なかった。隙があったら眼の前の池に飛びこんで、堂の棟に上がっている絵馬のように、楊柳の幹を巻いて、呪う男を呑まんとしている蛇身になっても――と思うが、それも出来なかった。
「立たねえか」
又八は、手に持っている篠を鞭にして、お通の背を、いやという程打った。
打たれる程、お通は意志が強くなる。もっと打ってみろと望みたくなる。……黙って又八の顔を睨めつけていた。すると又八は、気が挫けて、
「歩けよ、おい」
と、いい直す。
それでもお通が起たないので、今度は猛然と、片手で襟がみをつかみ、
「来いっ」
ずるずると、地を引き摺られながらお通が、池心の火へ向って、悲鳴をあげようとすると、又八はその口を手拭で縛って、引っ担ぐように、堂の中へ抛りこんだ。
そして、木連格子を抑えながら、彼方の火影がどう来るか窺っていると、その小舟はやがて雨乞堂から二町ほど先の池尻の入江へ辷り込んで、松明の火もやがてどこかへ立ち去ったらしい。