후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
はるばると遠国から越えて来たこのとしよりを、親切に宥ろうとはせず、捏ね土を浴びせたり、歯をむいて嘲笑うたりするのが江戸の衆の人情か」
罵るために、往来はよけい足を止め、また愈、笑い声を増すことが、お杉婆には分らぬらしい。
「お江戸お江戸と、日本じゅうでは今、この上もない土地のように、偉いうわさじゃが、何のことじゃ、来てみれば、山を崩し、葭沼を埋め、堀を掘っては海の洲を盛っている慌だしい埃ばかり。おまけに人情はすすどうて、人がらの下品ていることは、京から西には見られぬことじゃ」
これで、婆は少し胸がすいたとみえる。なお笑う群衆を捨てて、忌々しげに、脚をはやめて行った。
町はどこを見ても、木口も壁も新しくて、ぎらぎらと眼を射るし、空地へ出ると、まだ埋めきれない土の下から、葭や蘆の根が枯れて喰み出している。乾いた牛の糞は、眼や鼻にはいる気がするのであった。
「これが江戸か」
彼女は、事々に、江戸が気に入らなかった。新開発の江戸の中でいちばん古い物が、自分の姿のように思われた。
実際、ここの土に活動しているものは、悉くが若い者に限られていた。店舗を持っている主人も若いし、騎馬で歩いている役人も、編笠を抑えて大股に過ぐる侍も、労働者も、工匠も、物売りも、歩卒も部将も、すべてが若かった。