후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
ふくろ路地
一
行く先も書いてないのだ……行く先も……」
ふくろ路地
一
ふと、針の手を止めて、
「……誰?」
お通はいってみた。
「どなた? ……」
縁の障子を開けてみたが誰もいないのである。気のせいであったと分ると、お通はさびしさに囚われて、もう袖付と襟さえ縫えば仕立てあがる縫物にも、つい身が入らなくなってしまう。
(城太さんかと思ったら?)
心の中で呟いているように、彼女はまだ人なき昼を未練そうに眺めていた。そこに誰か人でも通るような気配さえすれば、城太郎が尋ねて来たのではないかと、すぐ思ってしまうらしいのである。
ここは三年坂の下だった。
ごみごみした街中ではあるが、往来の一側裏には、藪だの畑だのがいくらもあって、椿も咲いていれば、梅も綻びかけている。
お通の姿が見えるそこの一軒家も、裏はよその庭らしい木立に囲まれ、前の百坪ほどは野菜畑になっていて、その畑のすぐ向うには、朝から晩までひどく忙しげな物音をさせている旅籠屋の台所がある。――つまり、この一軒家も、そこの旅籠屋の持で、朝夕の食事も、向うの台所から運んで来ることになっている。
今は――どこへ行ったのか姿はここに見えないが、お杉隠居がなじみの旅籠で、京都に来ればここと決めてあり、ここへ来ればこの畑の中の別棟があの婆様のお好みであるらしい。