후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
吉野もすすめられて、沢庵の歌のすこし下へ、
咲きつつも
何やら花のさびしきは
散りなん後を
おもふ心か
と、素直に書いて筆を擱いた。
紹由と武蔵とは、黙って見ていただけである。悪強いして無理に筆を持たせる者などがいなかったのは、武蔵にとっては幸いであった。
そのうちに紹由は、次の間の床わきに、一面の琵琶が立てかけてあるのを見つけ、吉野に琵琶を所望した。彼女の弾じる一曲を聞いて、それを機に、今夜の散会としようではないかと提議する。
人々が、
「それこそ、是非に」
と求めると、吉野は悪びれぬ態で、すぐ琵琶を抱えた。それが、芸のあるを誇るという風でもないし、また芸がありながらひどく謙譲ぶるといったような嫌味でもなかった。いかにも素直なのである。
炉を離れて、次の間の仄暗い畳の中ほどに、彼女は、琵琶を抱いて坐った。炉辺の人々は、心をすまして、彼女の弾く平家の一節に、沈黙していた。
炉の炎が衰えて、暗くなりかけても、炉へ薪をくべ足すことを誰も皆忘れて聞き恍れていた。四絃のこまやかな音階が突として、急調になり破調に変ってくるかと思うと、消えかけていた炉の火もにわかに焔を上げて、人々の心を遠くから近くへ呼びもどした。