후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
六
「そしてこれは、先日あなた様が光悦様のお家へ脱いでおいた以前のお小袖だそうで」
と、使いの男は、こちらから届けた羽織小袖とひき換えに、武蔵が前から着ていた古い着物と袴とを持って帰り、
「本阿弥のお老母様からも、くれぐれもよろしくと仰せられました」
と、口上を伝えて、扇屋の母屋へ退がって行った。
包みを解いて、以前の古い着物を見ると、武蔵はなつかしかった。あのやさしい気持の妙秀尼が着せてくれた小洒張した衣裳よりも、この扇屋で借着している伊達な袷よりも、雨露に汚れた一着の木綿着物のほうが、彼には、自分の肌にぴったりした物のように思われた。これこそ、修行中の行衣であり、これ以上の必要を少しも感じないのであった。
綻びてもいたし、雨露や汗にも汚れていたはず、さだめし穢いにおいが畳まれていたであろうと思いながら、袖を通し袴を着けてみると、意外にも折目が、ぴんとついていて、あの襤褸にひとしい古小袖が、生れ代ったように、仕立て直してあった。
「老母というものはよいものだ。自分にも母があったら」
武蔵はふと孤愁に囚われて、これから生きて行こうとする生涯を、心の中で遥かに描いてみる。