후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
彼方に一名、此方に一名、距たっている。それを見ても武蔵の位置が絶えず動いて、この広い原をいっぱいに足場を取り、大勢の敵をして、その力を集結させる遑のないように闘っていることがわかる。
――といっても武蔵の行動には、いつでも一定の原則があった。それは、敵の隊伍の横へ当たらないことだった。努めて敵の展開してくる横隊の正面を避け、その群れの角へ角へと廻って、電瞬に薙ぎつける――末端の角を斬る――
だから、武蔵の位置からは、敵はいつでも、先刻の狭い道を押して来たように、縦隊の端から見ているわけだった。同時に、七十人でも百人でも、彼の戦法からすれば、わずか末端の二、三名だけが当面の対手であるにすぎない。
しかし、いかに飛鳥の敏速があっても、彼にもたまたま破綻が生じるし、敵も彼のためにそう乗ぜられてばかりはいない。どっと、無数が無数の働きをして、同時に前後から喚きかかる秒間も起る。
その時が、武蔵の危機だった。
また、武蔵の全能が、無我無想のうちに、高度な熱と力を発する時だった。
彼の手にはいつか、二つの剣が持たれていた。右手の大刀は血ぬられて柄糸も拳も血漿で鮮紅に染まり、左の小剣はまだ切ッ先がすこし脂に曇っているだけで、まだ幾人かの人間の骨に耐え得る光をしていた。