후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
見れば、老母の小脇には、皮鞘を払った薙刀が星明りを吸って、後ろ隠しに持たれている。そして武蔵の背を窺いながら、
「ここな痩せ牢人めが、土民とあなどって、小賢しい腕立てしやったの。ここをただの百姓家と思うてか」
と、いう。
背中へ迫られることは武蔵にとって苦手であった。組み敷いているものが生き物なので、自由に向き直るわけにゆかないのだ。権之助はまた、背中の着物も皮膚も破れるであろう程、地上を摺りうごいて、母に有利な位置を作ろうと、敵の下から計っている。
「なアに、こんなもの。――おっ母、心配しねえでもいい。あんまり近寄ってくれんな。今、刎ね返えしてみせる」
呻きながら、権がいうと、
「焦心るでない!」
と、老母はたしなめて、
「元よりこのような野宿者に負けてよいものか。御先祖の血をふるい起せ。木曾殿の御内にも人ありと知られた太夫房覚明の血はどこへやったぞ」
すると、権之助は、
「ここに持っている!」
いいながら、首を擡げて、武蔵の膝行袴の上から、股の肉へ喰いついた。
すでに棒を離して、両手も下から働きかけ、武蔵をして何の技をする余地も与えないのだ。加うるに老母の影は、薙刀の光を曳いて、背中へ背中へと狙け廻って来る。