일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면

아오조라 문고

一の峠は越えたが、まだ先に和田の大峠と大門峠が、星空に重なっている。

その二つの山の尾根と流れ合っている広い沢の辺りに、ポチと、燈が見えたのである。

近づいてみると、たった一軒の立場茶屋だった。廂の先には「馬繋ぎ」と呼ぶ棒杭が四、五本打ち込んであり、この山中のしかも深夜に、まだ客があるのか、土間のうちからパチパチと火のはぜる音に混じって、粗野な人声が洩れてくる。

「――さて?」

と、当惑した顔つきで、武蔵はその軒端に立ち迷った。

ただの百姓家か木樵の小屋でもあれば、暫時の休息も頼めるし、稗粥の無心ぐらいはきいてもくれるであろうが、旅人を相手に商売している茶店では、一ぱいの茶も、茶代をおかずに立つわけにはゆかない。

どう考えても、金はもう一枚の鐚も持っていないのだ。しかし、温かそうな煙に混じって洩れる煮物のにおいは、彼の飢えをつよく思い出させて、もう到底、去り得ないほどだった。

「そうだ、仔細をいって、彼品でも、一飯の値の代りに取ってもらおう」

そう思いついた抵当の品というのは、背に負っている武者修行包みの中の一品だった。

「……ごめん」

彼がそこへ入るまでには以上のような当惑やら苦心のあげくであったが、中でがやがやいっていた連中には、まったく唐突な姿だったに違いない。