일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みやもとむさし

宮本武蔵(五)

吉川 英治

吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면

아오조라 문고

「――そうだッ!」

いった時は、ぶら下げていた彼の剣が、賊を真っ向に割りつけていた時であった。

わっ――と動揺めいた後は、もう誰彼の見わけもつかなかった。小さな旋風の中に、かたまり合って吹かれてゆく羽蟻の群れみたいに乱闘が始まったのだ。

しかし、片方は水田だし、片方は並木の堤になっている道なので、地の利は、土匪どもに不利で、武蔵には絶好だった。それに土匪は、兇猛ではあるが、武器の統一も、訓練もないので――これを一乗寺下り松の決戦の時から思うと――武蔵はまだ生死の境にふみこんでいる心地はしなかった。

それと彼は、機を見て、退くことを考えていたせいもあろう。吉岡門下の大勢と闘った時は、一歩も「退く」などという考えはもたなかったが、今はその反対に、彼らと互角に闘おうなどとは毛頭思っていないのである。ただ彼は兵法の「策」をもって彼らを馭そうとしているのである。

「あっ、野郎」

「逃げやがったッ」

「逃がすな」

土匪たちは、駈けてゆく武蔵を追いつめ追いつめて――やがて野の一端にまで誘われて来た。

地の利は、さっきの狭い場所よりも、ここの何物もない広い野原の方が、武蔵には当然不利に見えたが、武蔵は、彼方へ逃げ、此方へ駈け、彼らの密集を存分に分散させてから、突然、攻勢に変った。