후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
四
男は、路地の角から何か云って、立ち去った。――いつまでも見おくってから、お蔦は、格子を閉めた。
「誰だい、今のは」
露八が訊くと、茶の間に立って、厚帯の間から、小菊紙だの、鏡だの、櫛たとうだのを、ぽんぽんと出してはそこらへ抛り散らしながら、
「わたしの情人さ」
四
「ふーむ……」
露八は、自分の顔の置場に困って、お蔦の捨てた小菊紙や鏡をひろい集めていた。
その背中へ、帯を解く。
座敷着を脱ぐ……
「ちょいと」
手をのばして、
「彼衣を取っておくれよ」
灯のない次部屋の壁に掛けてある女柄の丹前を指さすと、露八は、ひと抱えも集めていた帯や道具を、畳へたたきつけて、お蔦の顔の前へ顔を突き出して呶鳴った。
「箱丁じゃねえぞっ」
「…………」
眼元の酔いを、お蔦は、ちょっと蒼くしたが、ふいに、長襦袢の細長い体をしなやかに曲げて笑い転けた。
「ホッ、ホッ、ホホホ。怒ったよ。まあ、甚助を起こしてさ」
「あたりめえだ」
「そうですかよ」
足の先で、帯を、つぎの部屋へ押して行って、お蔦はさっと丹前を引っかけた。きゅうっと、伊達巻を鳴らしながらまた、明りの輪の中へ来て坐った。そして露八が支度しておいた銚子を燗銅壺へ入れ、それの燗く間を、わざとらしく、鬢の毛を掻き上げている。