후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
二
「其奴っ、其奴っ」
薩藩の白兵が、銃槍をひらめかせて、榊原と露八とを取り巻いた。
薪でも割るように榊原は大上段で人間を斬っていた。露八は、槍で、官兵と撲り合っていたが、榊原が、四、五人斬って、山内の方へ走ったので、彼も、煙に咽せながら山へ逃げこんだ。
四斤砲や、ストロング砲の巨弾が、地へ無数の穴を掘って、その中に、雨水が血をながしこんでいた。上野は大半以上落ちて、地獄の黄昏であった。露八は、首のない槍を持って、谷中口へ落ちた。そして藪寺の縁の下に、這いこんで、そこまで聞こえてくる炎の音に、夜どおし、じっと、耳を澄ましていた。
二
今日、上野を撃った弾のうち幾つかは、弟の八十三郎が撃った弾であるにちがいない。――そんなことが考えだされて、
「やっぱり、あいつは、俺よりは偉かったらしい。もう、七、八年も前から今日の的を狙っていやがった……」
欣しくもあるしまた、
「江戸も、今夜で、おしまいだなあ……」
床下から、夜ッぴて真っ赤に焼けている雨雲の空をながめて、憮然ともしていた。
二百余年来の江戸人の生活の塵や煤がいっぺんに山と積まれて焼けているようなものである。