일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면

아오조라 문고

三

一目、弟に会ってから」

「じゃあ私は、穴守の磯茶屋で待っていますよ。きっと、帰って来るでしょうね」

「帰るとも」

露八は、白々と霜に明けた道を、濡れた草履で、駈けて行った。

三

朝の一しきり、街道は雑沓していた。荷駄、駕、飛脚以外に、近頃は、沿海警備の各藩の兵が、鉄砲を肩に、羅紗股引に草鞋ばきで、どこへ行っても、三々伍々と歩いている。

神奈川の青木台には、つい近年の開港条約で米国と仏蘭西の領事館が設置されていた。お寺の屋根から、合衆国の星条旗と、三色旗とが、朝風になびいて、街道からも眺められた。

人の息、馬の息、犬の息、すべてが霜のように白い。

戞々と、外国奉行の使番が、馬蹄を飛ばせてゆく、何事か、早打駕が、三挺もつながって行った。――菊は栄える葵は枯れる――の流行歌をうたった子供の親が自身番へしょッ曳かれて行く。

「はてな? ……」

露八は、迷っていた。

「先か、後か」

犬の駈けるのさえも、何か時勢の刺戟であるように見えるあわただしい世相の潮流の中に立って、

「――見えぬ、見えぬ。京都へならこの東海道。ほかに外れるはずはないが」

お菊ちゃんとの約束も忘れて、往ったり来たりしていた。