일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면

아오조라 문고

二

「あっ。また来る」

河合は、あわてて、お蔦の手をぎ放して、去ってしまった。

二

台所も、きれいに拭いてある。炬燵に火も入れてある。

膳も、お菜も。

お蔦は、いちいち腹が立って、

「これが男の仕事かい」

そこに、露八は見えないのであったが、罵って、

「おまえさん、二階だろう、降りておいでよっ」

と、梯子だんの下から、仰向いて呶鳴った。

「……来ないねっ、降りて来ないんだね。勝手におしっ、盗っ人猫みたいに、女房のまえにも、出られないのかえ」

だが、そんな言葉ぐらいでは、虫が納まらなかった。

とん、とん、とんと駈け上がって行った。

「おや……」

いないのである。

「変な奴だねえ」

翌晩も、そうだった。

次の晩も、そうだった。

お蔦は、ちょっと気味がわるくなった。

亭主持ちと、出先には知られているので、媾曳はきかないし、河合は、来るのは嫌だというし――それにも焦々していた。

四日目のことだ。七刻ごろ、町風呂へ行って、髪結の家で茶をのんで、路地をもどってくると、隣家の女按摩のお吉ッつぁんの前を通ると、家の中で、大きなくさめをした者がある。

「あら?」

お蔦は、あきれ顔して、立ちどまった。