후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
三
窓のへりへ、顔を伏せて、露八はぐったりと肱をもたせていた。どぶり、どぶり、と耳の下で夕波が撚れる。
聾になったようにその他はなにものも聞こえなかった。だが、そのうちに襟元の寒さをぞくと感じたとき、絹糸のような細い音響が、鼓膜の奥を冷んやりと通っていた。
笛の音である。
大川はうすい霧だった。向う両国には西陽がすこし射していた。雲は紅い、水は青い。
笛の音は近くなる――
風のかげんか、喨々と澄んで高く聞こえてくるかと思うと、途ぎれて、消えなんとし、消えたかと思えばまた、嫋々たる呂律が川波にのって流れ、そしてだんだんに近づいて来るのであった。
「千禽」
露八は、顔をあげた。
川を眸でさがしていると、果たして、一艘の大伝馬船が上流からゆるやかに下ってくる。が、ただの船ではない。山のように家財が積んである。家財もまた、ただの引っ越し荷物とはちがって、琴ばかりが十面も束ねてあるし、紫檀と見える箪笥には黄金の金具が光を放ち、友禅の夜具、定紋のつづら、金泥の衝立、御簾、絽蚊帳、象牙もの、螺鈿もの、近づくほどその雑然と芥のように積んだ財宝の豪奢さに驚かされる。
そして――