후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
二
「お楽に――」
「はっ」
「おくずし下さいませ」
「は」
そうして、半刻も、厳かに待っていた。生真面目な彼の顔へ、時々、蠅が来て、鼻をしかめさせた。
二
女だらけな家である。
彼の坐っている隣りの部屋にも、一人の女が、鳴海しぼりに、小柳の引っかけ帯で、白い足の指を、伸び伸びとだして、竹婦人をかかえて、昼寝していた。
顔は――わからない。
水団扇をのせて、寝顔をかくしているからだった。昼寝の前に、洗った髪を、乾かしているのであろう、わざとのように、ばさっと、畳へ黒髪を投げだしている。
「お待たせいたしまして」
娘は気がついたように間の簀戸を閉めたが、簀戸越しに見える寝姿の方が、むしろ、なまめいて庄次郎は気になった。
「お煙草は、召がりません?」
「は」
「粗葉でございますが」
「おかまい下さるな」
雛妓たちが、隅でクスリと笑った。庄次郎は間が悪そうに顔を横にした。すると簀戸越しに見える水団扇の蔭から、眼が――女の眼が――じいっと、やはり、自分を見ているのだった。
彼は、顔のやりばを失って、俯向いた。しばらくしてから顔を上げると、洗い髪の女は、また、団扇の下から、悪戯ッぽく、蠱惑な眼を、向けてくる。