일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면

아오조라 문고

それも、悩みだし、お蔦との仲も、抜きさしならない深間へ落ちていた。

酒が飲ける口になってから、あっちこっちに、借金はできる。お蔦はお蔦で、裸にまでなる。型どおり、心中するか、駈落ちか、ふた道を茨にして、

「腐ったって、しよがありやしない。庄さん、お唄いよ」

あのまま借りている毛抜き鮨の二階へ、てん屋物を取りちらして、二人は自暴酒だった。庄次郎は、ゆうべも屋敷へ帰っていない。今日も帰る気がしない。

――女は、三味線を爪で弾く。

「唄わないの」

「唄なんか、出るかよ」

庄次郎は、柱へ背を、そして、膝ッこを抱えて、

「金がほしいなあ」

「愚痴っぽいよ」

「また、今日あたり、渋沢が屋敷へ催促に来ているだろうし……」

男の呟くのをよそに、女は細い美い声で、荻江節を弾いてうたう。

つい釣り込まれて、

三とせ馴染みし

猫の妻

もし恋い死なば

かわいやの

棹は契りのたがやさん

庄次郎も音にあわせて唄いだすと、

「おおいい喉だ」

お蔦がひやかすように、また真面目に、云った。

「わたしの、お仕込みがいいから――」

「ふん、悪い指南番だ」

「ほかのことは」

「初めから、剣術などをやらねえで、荻江節でも習っていたら……」