후리가나로 읽는 일본 고전
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
吉川 英治의 三国志(八)(さんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N1. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N1 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,604자 · 391화면
司馬懿はまず匣を開いてみた。――と、匣の中からは、艶やかな巾幗と縞衣が出てきた。
「……何じゃ、これは?」
仲達の唇をつつんでいる疎々たる白髯はふるえていた。あきらかに彼は赫怒していた。――がなお、それを手にしたままじっと見ていた。
巾幗というのは、まだ笄を簪す妙齢にもならない少女が髪を飾る布であって、蜀の人はこれを曇籠蓋ともいう。
また縞衣は女服である。――との謎を解くならば、挑めども応ぜず、ただ塁壁を堅くして、少しも出て来ない仲達は、あたかも羞恥を深く蔵して、ひたすら外気を恐れ、家の内でばかり嬌を誇っている婦人のごときものであると揶揄しているものとしか考えられない。
「…………」
彼は次に書簡をひらいていた。
彼が心のうちで解いた謎はやはりあたっている。孔明の文辞は、老仲達の灰の如き感情をも烈火となすに充分であった。いわく、
――史上稀なる大軍をかかえながら、足下の態度は、腐った婦人のように女々しいのはどうしたものか。武門の名を惜しみ、身も男子たるを知るならば、出でていさぎよく決戦せずや。
「ははははは。おもしろい」
やがて仲達の唇が洩らしたものは、内心の憤怒とは正反対な笑い声だった。