후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
しかしその効いはあって、武蔵は見つかったのであるから、後は、加勢の者の力よりは、お通の一心の如何によるほかはない。
たった今、如意ヶ岳の中途から、志賀山越えを横切って、北の沢へ降りて行ったという――それだけを聞けば、彼女ももうその先まで、他人の力を頼ってはいなかった。
「だいじょうぶ? お通さん、だいじょうぶかい?」
側についてはらはらして行く城太郎とも口もきかない。
いや、きけないのである。
死を覚悟して、無理無体に歩ませてゆく病躯であった。口は渇いてしまう。鼻腔はあらい呼吸につかれる。そして蒼白な額に、髪の根から冷たい汗さえながれていた。
「お通さん、この道だ、この道から横へ横へと、山の腹を縫ってゆけば、自然に叡山の方へ出てしまう。……もう登りはないから楽だよ、どこか、少しそこらで休んだらどう?」
「…………」
お通は黙ってかぶりを振った。一本の杖の両端を二人して持ち合いながら――永い人生の艱苦をこの一刻の道に縮めてしまうような喘ぎとたたかいながら、懸命に、およそ二十町余りも山ばかり歩いた。
「お師匠様アッ。……武蔵さまアッ……」
時折、城太郎が、ありッたけな声を絞って、行く手の方へ向って、こう呼んでくれるのが、お通にとってはなによりの力だった。