후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
また、それが覚れる権之助であるから、いつぞやは自信にまかせて、滅多打ちに振りこんだ杖も、きょうは、頭上へたかく振りかぶったまま――まだ一打の唸りすら呼び起すことができない。
「…………」
「…………」
いの字ヶ原の草靄は、かかるあいだに薄ッすらと霽れかけていた。遠くかすんでいる山の前を、一羽の鳥影が悠々と横ぎってゆく。
――ぱッと、二人のあいだの空気が鳴った。飛ぶ鳥も落ちるような見えない震動である。それはまた、杖が空気を搏ったのか、剣が大気に鳴ったのか、いずれともいえないことは、禅でいう、隻手の声は如何というのと同じことである。
――のみならず双方の五体と得物の一如なうごき方は、とても肉眼に依って見て取ることは難かしい。はっと、視覚から脳へそれが直感する一秒間の何分の一かわからない一瞬に、すでに眼に映る二人の位置と姿勢はまるで変っている。
権之助が振り落した一撃は、武蔵の体の外を搏ち、武蔵が小手を翻して、中位から上位へ向けて薙ぎ上げた刃は、権之助の体の外とはいいながら、殆ど右の肩から小鬢の毛をかすめるくらいに閃いていた。
同時に、この場合も、武蔵の刀は、彼のみの持っている特質として、相手の身を外れて行く所まで行くと、ヒラと、すぐ松葉形に切先を返して来た。