후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(五)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(五)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 508,883자 · 1017화면
ざざざ、と土の落ちてくる後を辿って、武蔵も何処までも、追って行った。
ここは和田と大門峠の境で、山毛欅が多いままぶな谷と呼ばれている。沢を登りつめた所に、一叢の山毛欅につつまれた家があった。その家もまた、山毛欅の丸太で組み建てたような巨きな山小屋に過ぎない。
ボッと、そこに燈が見えた――
家の内にも明りが映しているが武蔵の眼に見えたのは、その家の軒先に、誰か、紙燭を持って立ってでもいるらしい燈であった。
賊の頭目はばたばたっと、それへ向って逃げて行きながら、
「燈を消せっ」
と呶鳴った。
すると、袂で燈をかばいながら、戸外に立っていた影が、
「どうしたのさ」
と、いった。
女の声であった。
「まあ、ひどい血になって――。斬られたのかえ。今、谷の方で鉄砲の音がしたから、もしやと思っていたら? ……」
賊の頭目は、うしろから迫る跫音に、振向きながら、
「ば、ばかっ。はやくその燈を消してしまえ。家の中の燈も」
と、息を喘って、また呶鳴った。
彼が、土間の中へ転げ込むと、女の影も、燈をふき消して、あわてて姿を隠してしまった。――やがて武蔵が、その前へ来て立った時は、家の中の明りも洩れず、手をかけてみても、戸はかたく閉まっていた。