후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
家宅捜索は与力の職権だ。その鈴木の手に収獲されてしまった文書は、すべて、父へも、幕府へも、秘密なものばかりだった。
鈴木は、長次の手から蝋燭を受け取って、
「土肥八十三郎は、其許だな」
「そうです」
「一緒に、行こうじゃないか」
どこへ――と問い返すまでもないことだ。八十三郎は観念したように、ちらと眉を昂げて、
「参りましょう」
静かに答えた。
取り乱すまいと努めつつ唇を噛んでいる容子が、彼の何事もうわべに出さない性質と平常の修養とを強く示していた。彼が何を読み、何を考え、何を意志しているか、父の半蔵も、叔父も、誰だって、知る者はなかったのである。
そしてただ謹直で大人しい青年とのみ思っていた彼が、今、与力の鈴木藤吉郎に云わせれば、幕士でありながら幕府の顛覆を計っている恐ろしい思想家の一人であると、その実証まで突きつけられて、その驚き方は、長男の庄次郎が板新道の女に憂き身をやつしているのを発見した時の場合などとは、比較にならないほど大きかった。
(この子が……)
と、疑っても疑いきれないように父の半蔵は眼を空虚にしたまま自失していた。さすがの苦労人である叔父の鉄之丞すら唖然としていて、