후리가나로 읽는 일본 고전
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まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
どうかお引立てをおねがいいたします」
お喜代は、旦那の斧四郎へ、そう云って彼を紹介わせてからまた、お菊ちゃんへも、
「よろしく」
と、云った。
お菊ちゃんは先刻から笑いを忍んでいたが、
「はい、私こそ」
と答えながら、とうとう、吹きだしてしまった。
斧四郎もお喜代も、誘われて笑い転けた。
「露八さん、鬘をしていては、暑いでしょう。鬘の間から汗が滲み出している」
「そんなでもない」
露八の真面目くさっているのが、よけいにおかしくって、
「川のなかは往来じゃないし、誰も見ていやしませんよ。脱ったらどうですか」
「それもそうだな」
「脱りなさい。遠慮なく」
斧四郎もすすめた。
「では、ご免を」
と、露八は、鬘を脱った。汗にぬれた坊主頭からうすい湯気が立った。
「なかなか、坊主ぶりがよいぞ。道鏡殿、お近づきじゃ」
斧四郎は、重箱をひらかせて、杯を酌したが、
「今日の酒は、ちと違うの。灘ではあるまい」
「船宿のですから、宮戸川かも知れません」
「お菊の家へ寄って、剣菱を頒けてもらおう。船頭、浜中屋の裏へちょっと着けておくれ」
笛のお菊ちゃんは、柳橋の自分の家へ上がって、柳樽へ剣菱を入れ、船へ提げて来た。