후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
吉川 英治의 松のや露八(まつのやろはち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,597자 · 253화면
大天災でも襲ってくる前のようにむしむしとした空気である。しかし、戦争が、わかっていたところで、露八は、圏外の人間だし、どういう考えも無論なかった。眼のあたりに、避難する人々の混乱を見ても、べつに、その心境は急に変わりそうもない。体一つの境遇が、どんな強味かということを、ちょっと、愉快に思って、まるでこの世の終りのように騒いでいる世間の物音を、耳で、聞いているだけであった。
昼遊びの客が、残して行った酒が一間にそのままある。露八は、水のかわりに飲んだ。そして、畳の上に、寝ていた。
むくりと、その畳が、持ちあがるような気がした。と思ううちに、遠い大砲の音が、じいんと、梁につたわって、微かに家がふるえる。
「ははは。やってるな」
ここまではとどくまい――
そう前提しておいて、次の弾丸音を聞くのである。戦は、伏見附近か、鳥羽か、高瀬川堤という噂なのだ。
夜中から暁にかけて、だいぶ、砲声は近づいていた。寒いので、露八は、階下の台所へ行って、火をおこした。食べ物もある。樽には、酒もあった。
「洒落た留守番だ」
ひとりで、酒を燗けて、四日も、終日飲んでいた。あの丹波女でもいたらばなどと贅沢な気すらわいてくる。